ここから始まる、流氷の旅。
「オホーツク流氷館」は、年中いつでも流氷に直接触れることができるなど、オホーツクの自然を体感でき る施設です。平成27年8月に新しく建て替わり、地下1階の流氷幻想ギャラ リーのほか、1階のギャラリーショップ、2階のカフェレストラン、屋上の絶景展望と、どのフロアも一新しました。
今日、エスコートをしてくれるのは案内係の川畑さん。流氷の底をイメージした階段を降りてゆくと「流氷幻想ギャラリー」に着きました。「では、北海道内最大級の『プロジェクションマッピング』でお楽しみください」。そのとたん、流氷をイメージした立体面に流氷やオオワシ、アザラシたちが躍動し始め、光と音のショーに引きこまれます。
「次は『流氷の世界体感室』でマイナス15℃の世界を体感してみましょう。流氷に触ることもできます」。貸出コートを着て扉を抜けると…。そこは網走沖から採取した約100トンの流氷がひしめく極寒の世界です。1日の流氷の移ろいが映像で演出される中、大きな氷塊に大接近。濡れたタオルをくるくる回して凍らせる体験も楽しめます。
「流氷幻想シアター」は、上下、左右、正面と5面のスクリーンから映像が迫り、まるで海の中に立っているような感覚です。氷の波や野生動物の息吹に包まれて、思わず息をのむほど。
川畑さんの話も心に残ります。「流氷は3つの条件により起こる奇跡の現象です。アムール河から流れ込む真水。オホーツク海の閉じられた形状。そしてシベリアからの寒風。この偶然が重なって流氷は毎年生まれ、そして消え去るのです」。何万年も繰り返されてきた「奇跡」が、待っています。
世界的にも屈指の雪質を誇るスキー王国ニセコ。外国人観光客の数も飛躍的に増加し続けており、2014年は年間約15万人が海外から訪れた。「ここ10年で、ニセコ町だけでも約10倍に伸びました」と、ニセコ町商工観光課観光戦略推進係長の齊藤徹さん。
豪州から訪れるスキー客から人気に火がつき、現在はアジア圏からの観光客が全体の約半数。冬はスキー客の約7~8割を外国人が占める。「ニセコ=パウダースノー、というイメージが国際的に認知されつつあります。東南アジアの方々は、雪に対する憧れも強いですね」では、そこまで観光客を引き付ける魅力はどこにあるのか。「まずニセコエリアだけで、大きなスキー場が5カ所あります」。
小さい子供連れのファミリー向けなら、ゲレンデが広く斜面もなだらかな『ニセコアンヌプリ国際スキー』、中・上級者向けのコースが充実している『ニセコビレッジスキーリゾート』、ニセコ山麓の中でもとりわけ雪質に恵まれ、パウダースノーが外国人に人気の『ニセコモイワリゾート』という具合に、目的に応じてゲレンデを選べる。さらに、新千歳空港からのアクセスが良いことも、高く支持されている理由だ。
もちろんスキーやスノーボードをしない人もいるが、純粋に「雪と冬を楽しむ」目的で訪れても、ニセコには様々な楽しみ方が用意されている。
たとえば、スノーシューを履いてのウォーキング。深く雪が積もる期間は、夏は道がなく、歩いて入れない白い森の中で、野生動物の足跡を観察したり、バードウォッチングを楽しんだり。「普段、雪を見ることがない方の中には、ふかふかの雪の中に背中から倒れ込むことに憧れている人もいて。そんな夢がかないます」と齊藤さん。
インストラクター付きなら初心者も安心してトライできるスノーモービルで雪原を走り抜けるのもいいし、トナカイがひくソリに乗れるアクティビティもある。夏に人気のラフティングは、冬も体験可能。周囲が静けさに包まれる冬、雪景色を眺めながらの川下りは、夏とはまた違った魅力があるという。
そして、ニセコエリアのもうひとつの魅力は、バリエーションに富んだ温泉地。『ニセコ昆布温泉 鶴雅別荘杢の抄』のあるニセコ昆布温泉郷をはじめ、五色温泉郷、東山温泉郷など、実に計14カ所もの温泉地が点在している。それぞれに泉質や趣が異なり、日帰り入浴営業を行う施設も多いので、ぜひ“ハシゴ湯”がおすすめ。温泉であたたまった後は、施設に併設されたエステやマッサージで癒されたい。
さらに、14年12月には、ヒルトンニセコビレッジの敷地内に新スポット「ザ・ビレッジ」が誕生した。日本の伝統建築である町屋をモチーフに設計したショッピング&ダイニングエリアで、ガラス専門店や北海道食材を生かしたレストランなど計7店舗で構成。外国人観光客を意識したつくりだが、その意外性が、日本人客をも楽しませている。
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