特別な運命と夢を形にする実行力に感動して。
突然のお誘いを「特別な運命」と信じ、美しい丹頂のごとく阿寒に舞い降りたのが五年前です。
その時の私は、天下の阿寒グランドホテルの増改築工事というビックネームと突然のピンチヒッターという大役に、ただならぬプレッシャーを抱いておりました。きっと現地の気候のように厳しい仕事になるに違いないと。極上すぎる寒さの風と、凍えきるほどに澄んだ空気を受けて、すべてが確信に変っていくのでした。
予感は的中。関係者の方々のプロ意識に、これまで経験し得なかった冷ややかな緊張を覚える毎日が始まりました。
ところが、現場が進むにつれて、作業のボリュームに圧倒されつつも、自らすすんで嵐の中に飛び込んでいけたのです。それからは仕事を軸にした新しい仲間との、温かで強い絆が自然に育まれていくのでした。
皆様に助けていただいたからこそ長い工期を何とか乗り切ることができたのです。宝物のようなこの時間は切ないほど懐かしく、感謝の気持ちがいっぱいの思い出となっています。2日の滞在予定が一週間になり、気がつくと一ヶ月。しまいにはとうとう阿寒から離れられなくなり、充実した5ヶ月を駆け抜けていくこととなりました。
当社のスタッフには「社長はポイントライン阿寒営業所に常駐中」と言われる始末。夜通しの作業では、疲労と眠気と空腹に耐えかね、コンビニの明かりに思いを馳せることもありました。
あの時の私は、なぜそこまで夢中になれたのか。もちろんきっかけは仕事です。
でも、何よりも大西社長の「夢を形にする実行力」に感動し、共感を覚え、いつしか会社も札幌も忘れてしまうほど、阿寒に魅了されてしまったのです。同時に私自身の忘れていた可能性も確かに動き出していくのでした。また、常にお客様の立場を考え、気配りを惜しまないという鶴雅姿勢は創造の世界にいる私にとりましても、印象に深く残り、そのようでありたいと憧れに似た決意をもって心に留めている次第です。
以来、阿寒グランドホテル様のつきることのない魅力と、類を見ない新鮮な感動をご一緒させていただいております。
この度、お迎えになられる50周年。誠におめでとうございます。
歩まれてこられた歴史の重みに敬意を表しますと共に、益々のご発展とご隆盛、皆様の北海道観光の希望であります阿寒グランドホテル様に更なる輝きをお渡しできるよう、私自身もより一層精進していく所存でございます。
これからも「夢の形」と「特別な運命」が良き日々に続いていきますように。